会長挨拶

❝組織運営の健全化と学び続ける体制を❞

平素より熊本県医療ソーシャルワーカー協会の活動にご理解・ご支援賜り、厚く御礼申し上げます。

2025年5月31日に開催された社員総会および臨時理事会において、会長に再任されました久保茂樹と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今年の社員総会において、ご挨拶した内容をご紹介させていただきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・【総会挨拶の一部】
この熊本県医療ソーシャルワーカー協会の設立、礎を築いてくださった同志社大学名誉教授の岡本民夫先生が2024年の12月11日にご逝去されました。岡本先生は、精神科ソーシャルワーカーとしてご活躍後に、現熊本学園大学の前身である熊本短期大学に赴任され、同大学の内田守先生とともに、ハンセン病や水俣病問題に取り組み、医療福祉、ソーシャルワークの発展にご尽力いただきました。ここに生前のご功績に敬意を表し、ご冥福をお祈りするとともに、謹んでお知らせ申し上げます。
今日の日本における現代社会は、ガソリンや電気代といったエネルギーコストの上昇に加え、円安、賃金の上昇の影響により、物価高騰が続いています。物価の上昇には、特に低所得者に大きな影響を与え、貧困問題が深刻化しています。
また、医療の現場に目を向けると、6つの病院団体による調査によれば、医業利益の赤字 の病院は69%に上昇し、経常利益では61.2%が赤字にあると公表されました。私たちの身近でも、「ある日突然病院がなくなる」というのは、まんざらでもありません。それほど、現在の病院経営は危機的な状況にあるということです。ソーシャルワーカーにも、組織から求められるアウトカムが質から量へと変わってきたのではないでしょうか。
このような中で、私はソーシャルワーカーの強みは、ミクロからメゾ、マクロレベルといった俯瞰的かつ鳥瞰図的に物事を理解することだと思っています。つまり、アセスメント力です。しかも、時間的 制約がある中での1回の面談や1回の支援の質が問われています。患者の個別問題を地域社会の問題としてとらえ、地域ニーズの発掘に努め、病院組織に提案・提言していくことが必要とだと思っています。病院経営は、情報を必要としています。ぜひソーシャルワーカーの強みを今こそ活かしてください。また、技術の進化は著しいものです。ICTやAIをフル活用して、業務の効率化を図っていくことも必要だと感じています。

2025~26年度に取り組む3つの柱

1.ソーシャルワーカーとしてクライエントに最適な支援を行うために、研修事業

  に力を注ぎ、会員が学び続けれる組織運営を行っていきます。

2.職能団体の魅力を発信し、健全な組織運営に努めます。

3.ソーシャルワーカーの職能団体との連携を図り、予期せぬ災害に備えた支援の

  在り方を検討していきます。

今後とも、皆さまのご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願いいたします。

2025年5月31日
一般社団法人 熊本県医療ソーシャルワーカー協会
会長 久保 茂樹

 

協会事務局

熊本県熊本市中央区本荘5丁目16-10
一般社団法人 熊本市医師会  熊本地域医療センター 地域医療連携室